Thursday, July 9, 2020

頻発する命の危機、排尿障害

シッターさんも見つかった。なんとか職場に復帰して生活を立てなおし始めた。
ほんの少し、日常を取り戻した。
だけど、問題が度々起こる。もっとも苦しんだ問題は排尿障害。 

膀胱を伸縮さる筋が急激に衰えて、自力でオシッコが出せなくなった。 
お腹がバスケットボールのようにパンパンになっても、オシッコが出せない。


オシッコが出ない=>膀胱炎=>急激な腎臓ダメージ=>命の危機



天使のような姿
らー

WEBでキーワードを”大型犬”,”排尿障害”などと検索すると、同じような症状の愛犬の排尿を飼い主が手伝う方法がいくつかヒットした。

主な方法は、「圧迫導尿」「カテーテル導尿」の2つ。

「圧迫導尿」は、膀胱を自力で伸縮できなくなった犬の代わりに、体の外側から膀胱を圧迫してオシッコを出させる方法。
この方法は、主治医から丁寧に教わったものの全くうまくいかなかった。 
らー自身に意識があって、麻痺をしているのは、左後脚だけなので圧迫を拒む気持ちがあればオシッコを出してはくれない。

らーの気持ちになれば、なんとなく理解できる。
自分の寝る場所でオシッコ? 
母ちゃんにお腹を押されてオシッコを出す???
はーっ、ムリ! そんな感じだと思う。 

「カテーテル導尿」カテーテル(管)を尿道から膀胱まで挿入し、らーの意思とは関係なくオシッコを流しだすという方法。
尿道にカテーテルを挿入、、、痛くないの?と聞かれたことがあるけれど、当然痛いに決まっている。

だからカテーテルを挿入したまま留置しようと思ったのだけど、これがまた厄介、カテーテルを身体に縫い付けない限り、腹圧で数十センチも挿入されているはずのカテーテルが一気に外に押し出されてしまう。

そうなると、やり直し、カテーテルを尿道へ挿入しなおすことになる。
カテーテルの一部分が、バルーンになって膨張することで固定する方法もあるようだけど、どちらにしても私は、らー自身が自力で排尿できるようになることをあきらめていなかったので、固定はしないことにした。

わたしが、らーの尿道へカテーテルを挿入して排尿を手伝う。
痛いよね、ごめん。

排尿障害の原因
人生でこれほど後悔している事はない。


考えたら遡ること数年。一体いつから始まったことなのか定かではない。
排尿障害の原因がわかったとき、漢方医に助言を求めたことがある。
往診叶わず、漢方専門医の治療は受けさせてあげることはできなかったけれど、助言を求めた際のメールのやり取りを振り返れば、排尿障害の原因についてよくわかるのでメールを貼り付けることにする。

**ここからメール***
Xxx先生
沖縄県在住のニューファンドランド犬(Male、13才、去勢済)の飼い主の樋口と申します。
突然のメールで失礼いたします。WEBのトップ画面に「必ず対面での診察が必要」と明記されているのにも関わらず失礼を承知でメールさせてもらいました。
対面の受診がかないませんが、もしアドバイスいただける可能性があればと思いました。ご多忙の先生にこのような無茶なメールです、もし可能性がなければ諦めますので、どうぞメールを破棄してください。
**
2018/6/12
仕事から帰宅したら一人で留守番の愛犬がオシッコまみれで横たわっていました。そこから約2週間、ごはんを食べず水を少し飲み、後ろ脚が正しく反応しない状態になりました。

2018/7/27
現在の様子は、一方向に寝返り、上半身はフセの姿勢ができる、ごはんを食べる、水をボウルからも飲む状態になりました。

倒れた6/12から、今日まで紆余曲折ありましたが、何度も同じパターンで状態が悪化しました。 最初は、排尿が困難になり(48時間も出ないことがあった)、尿道球腺付近が緊張し腫れて、不快感・痛みがあり、一晩まったく寝ない。 病院でカテーテルを用いて尿を出して膀胱洗浄をしてもらう、ということが数回ありました。
そのたびに、腎臓の機能を示す数値が悪くなりましたがオシッコを解決すると、数値も改善されてきました。

主治医も、これまで排尿困難の原因を、明確に示すことはありませでしたが、7/24にようやく次のような説明がありました。

老齢のため、および、背骨のヘルニアもあるため、排尿しても残尿感があり(実際に、排尿後もまだかなりの残量がある)不快感が残り、すっきり排尿したいと思うのでしょう、力をいれつづける、結果、尿道球腺付近が緊張して腫れて痛みが出て、腫れによって尿道が狭められて、更に排尿がしずらくなり、腎臓を悪くするパターンであったと思われる。

ステロイドを用いた治療では、副作用が効果よりも上回るため断念、7/26から、治療が変わりました。

1. 安定剤・睡眠導入剤を痛がり出したとき、緊迫したときに、緊急で使うのではなく、日常的に朝・夕使い、緊張をさせない
2. 人間の前立腺肥大が原因で、尿道が狭められたときに用いる薬を追加

この治療で今までにない好感触を感じています。
主治医の治療とは別に、7/4から整体(オステオパシー)の施術を定期的に受けており、施術初日から精神の安定や身体の動きが楽に見え、明らかに効果が出ているので続けて施術をお願いしています。

先生に無理なメールをお送りしているのも、メインストリームの治療だけでは得られない、整体で得られた効果のように、もっともっと楽にしてあげたい、という思いから漢方も導入したらいいのではないか?と思ったためです。
何らかの形で助言をいただけるならば、どのようにすればいいかなどご指導お願いいたします。
樋口恵美


先生からご返信をいただけました。


はじめまして、こんにちは
確かに老齢性の腰のヘルニアで、不幸な事に、治療がおそく、神経のダメージがのこり、足腰がたたないだけでなく、排尿の神経もダメージを受けてしまったという感じですね。
もう1ヶ月以上たっているので、ステロイドはもう間に合わないのでやめるので正解だと思います。

ただ胃腸がよければ、すこし非ステロイドの消炎鎮痛剤をつかっていると思います、
使っていなかったら、胃の調子に気をつけて少しつかったらよいと思いますが、
その辺りは西洋の医学の主治医さんにきいてみてください。

1ヶ月もたった高齢の子の神経のダメージ、はもう回復しないでしょうから、
整体と漢方で、神経と血のめぐりをよくする緩和ケアするのがよいでしょう。


整体はやられているので、それを中心に治療して、それでよいと思います。
腎臓と、血のめぐりをよくする漢方や、神経のめぐりをよくする漢方、
そして尿道をひろげる漢方、このあたりを使うとよいのですが、
対面で往診した後でないと、法律的にお薬をだせないので、すみません。

沖縄に去年一度往診したことがあるのですが、それは、行くことで、しっかり漢方で治療できると思った症例だったからで、
今回は、ちょっと難しいと思いますので、そこまでは、しないほうがよいかなとおもいまして、



<ご返信の抜粋は以上>

往診は叶いませんでしたが、助言をいただけたことへのお礼メールをお送りしました。

<私が送ったメール>
こんにちは、ご多忙のところご返信いただきありがとうござます。
ご返信いただけただけでも非常に感謝しておりますし、対面の受診なしでお薬の処方が無理ということは最初から覚悟しておりました。

先生のご返信から私自身でよく考えて自己責任で試せるものを少し取り入れてみるつもりです。

弱っていく愛犬を適切なときにケアできなかったことが悔やまれてなりません。
ですがまだ希望を捨てません、旅立つときまで穏やかでいられることをあきらめずできることを全力ですることにします。
ありがとうございました。
樋口恵美 


<ここで、漢方の先生とのメール交信は終わりました>

老齢犬の腰椎ヘルニアが原因の排尿障害と言うことは、歩行が変化した頃から治療をすべきであったということ。

わたしが後悔しているのは、歩行が変化した時、”老齢だから仕方ない”と最初から諦めてたこと。痛みがあるなら痛み止め、歩行を手伝う為の介助服、住宅の段差は工夫して、、、。

でも、わたしがしたことは、弱っていくらーを、助けてはいなかった。
歩行が変化した時、老化現象だなんて言って誤魔化さず、整体を取り入れて、漢方の先生に往診に来てもらえたら、あんなに苦しませなくて済んだかもしれない。

ただ、整体に関して実はわたしは何度も施術師を探し求めて方々連絡を取ったし、近所の人間用の治療院にも問い合わせをし続けていた。
だけど、施術院が遠方で建物の2階以上の場所にあり、月に数回の限られた診療しかなく、予約は絶望的に確保できず、平日のみの診療、厳しすぎる現実にめげてしまっていた。

また人間の整体師は、全員が犬の施術を断った。 
(後々巡り合ったオステオパシーのKさんは、奇跡だった) 

それでも、漢方医の治療は取り入れられたはず。
これはわたしが怠ったと認めなくてはならない。

導尿が確立されるまで、らーは苦しんだ。
オシッコが出なくて、お腹はパンパンに膨らんで、らーは、横たわったまま、一点を見つめて、これまで発したこともないような悲しそうな声をあげて、一晩も寝ないこともあった。

らーが今死んでもいいから、苦しめないで、らーを助けて。
これほどに苦しく悲しいと感じることは、わたしの人生を振り返ってもなかったと思う。 
やるべきことを怠ったわたしが受けるべき苦しみなのに、らーごめん。