Wednesday, July 8, 2020

らーの趣味、バードウォッチング

らーはバードウォッチングが好きだった。

公園に行くと、スズメやヒヨドリがいる。
早朝のお散歩では電線のハトがいる。

わたしは写真に没頭していたころ、常にNIKONのD90に18-200mmレンズをつけて持ち歩いていた。
公園で真面目な顔で鳥を眺めているらーの横で、カシャっとシャター音を立てると、わずかに視線をわたしの方へ向けて、呆れた顔をする。

被写体も限られて、撮影に飽きると、オヤツを取り出して食べるわたし。
ポリっ、ポリっ、音を立てる、途端に、明らかにこっちを向いてため息をつく、らー。

「母ちゃん.....」「音を立てないでよ」そう言ってわたしを叱るらー。

ある早朝のこと、涼しかったので夏ではなかった。
らーがお散歩中に休憩をするお気に入りの場所が数か所あって、その朝は、交差点の角っこで休憩していた。

一羽のハトが私たちの正面の電線に落ち着いて、じーっとしているのを、らーは真面目な顔で観察し始めた。

間も無く、別のハトがやってきた。
すると、先にいたハトが、後から来たハトを、ばしっ!と体全体をぶつけて追い返した。

その様子は、人間から見ても攻撃的で、ハトが平和の象徴だと思っていたわたしはショックを覚えるほどだった。

そのショックは、どうやら、らーも同じだったようで、
「母ちゃん、今のみた?」「ヒドイね!」そういう表情で、目を丸くして、わたしを見た。

March 27,2011
Rakun is watching birds