Wednesday, March 17, 2021

犬も老齢になると新しいことは受け入れない(ケージのはなし)

らーは、頑固な犬だった。

思えば仔犬のころから他のワンコに比べると、頑固な性格で何をするにも、同意を得なくてはならないような子だった。

だけど、ここで書きたい話は、恐らく性格が頑固であるからではなくて、老齢になると新しいことを受け入れる力が衰える、という話。

らーはドライブが大好きだった、クルマで遠出をすると楽しそうに見えたし、クルマに積んだバリケンも安全で好きな場所のようだった。 

愛車は、後部座席をすべてたたみ、超大型用700サイズのバリケンを積んでいた。

仔犬のころからバリケンに入ってきたので、病院でもホテルでも、ケージに入ってもらうのに苦労することはなかった。

(ここでは省くけど、一晩ずっとケンネルで寝てもらうには、トレーニングが必要だった)

若い頃は海に山に、毎週末何かしらの遊びをしていたので、ときにはアジリティーのようにトンネルを通りぬけてみたり、スロープを渡ってみたり、そういうことも果敢に挑戦して楽しむような犬だった。

老齢になってもドライブは好きだったのだが、バリケンの入り口に足を引っかけてしまい、躓く(つまづく)ことが多くなったので、わたしはバリケンを取り払い、らーには犬用のシートベルをしてもらおうと考えた。

同時に、もっと衰えたときのことも考えて、兄にらーが乗ってもびくともしないしっかりしたステップを作ってもらった。 


計画通り、実家にステップを受け取りにいき、バリケンは実家にあずけてきた。

(私の部屋は広くないので、使わないバリケンは実家に置いてもらうことにした)

そして、早速、らーにバリケンのないクルマ&ステップを見てもらった!


結果は、撃沈。


らーは、バリケンがないクルマを見た途端に明らかに戸惑い、ステップには前足さえも置いてはくれなかった。

オヤツ作戦、わたしが乗り込んで呼ぶ、友達ワンコと一緒に乗る、いろいろ試したけれど、どれもこれも、らーの機嫌を逆に悪くするような結果になった気がした。

ステップも、バリケンなしの後部座席も、らーにとっては新しいことで、老齢になって受け入れるのは無理なんだと思えた。

その日、片道1時間程度の実家へ再び戻ってバリケンを積みなおして帰宅した。

その途中、わたしは母のことを考えていた。

わたしの母も、家族全員を困らせるほどのピッキーで、歯磨き粉の種類が違う、石鹸がいつものものと違う、新しいパジャマのボタンが嫌だ、この下着のここが体のここに当たって気持ちが悪い、、、これじゃナイ!!元に戻して!!と言い張る人なのだ。

今日も母はナーシングホームでスタッフを困らせていると思う。

らーが、老齢になってケージがないクルマを認めないことで、わたしは母のわがまま(と思っていた)に、怒ったりしたこと、わたしが悪かった、と反省したのだった。

らー坊、出ておいで・・・

 

 

Tuesday, March 16, 2021

野菜屋のトオル、近所のみなさま、ありがとう

 らーは、頻繁にいただきものをする犬だった。

「らーくんに食べさせて」と言って多くの方が様々な食べ物を分けてくれた。

野菜屋のトオルも、何度もくだものやお野菜を分けてくれた。

ある日、帰宅したら玄関に置いてあった

らーがまだ2才くらいだったと思う。

当時、トオルさんの営む八百屋さんは、プレハブでできた仮設の小さなお店で、夕方になると近所の主婦の方でにぎわうような、非常に庶民的な八百屋さんだった。

クルマの後部にらーを載せて、トオルさんの野菜屋さんに買い物に行くと、お店のスタッフほぼ全員が、代わる代わるらーに挨拶をしてくれた。

「らーはバナナが好きなんですよ」と何気に、トオルさんに話したら、買い物の度に、こっそりバナナを袋に入れてくれるようになった。

「りんごも食べる?」と聞かれたので、正直に「大好きデス」と話したら、りんごも買い物袋に入れてくれるようになった。

そして、ある日、帰宅したら玄関に、写真のくだものいっぱいの箱が置いてあった。

トオルさんだけではない。

ゴルフ場の売店でアルバイトをしていた近所のきよみさんは、「残り物よ、遠慮なく食べてね」と言って、ゆで卵をこれでもか!!というほど、何度も何度も玄関に置いててくれた。

お散歩してたら、ファーマーさんが、お芋だの、かぼちゃだの、とにかく「これももってけ~」って、分けてくれた。

らーには安全なご飯を食べさせたかった。

でも、市販の安心安全なプレミアムドッグフードは、私の経済状態では金銭面で無理があった。

手作りごはんにするのが当時のわたしには、当然の選択だった。

成長期のらーの食欲はすさまじいものだった。中学生の運動部・男子みたいなものかな?

なつかしい。 


トオルさんのお店、今では大きなショッピングビルに入っているようです。

トオルさんのお店の商売繁盛を願っています!