そんな時期の往診で、らーの心音は強く安定していて、到底近く旅立つような様子ではないと主治医の結論。
往診に偶然立ち会った人間全員で、喜んだのはつかの間、さて現実問題、これからどうする......
すぐに同僚たちがシッターさん探しを開始、Line、友人への直接のメール、Facebook、あの手この手でシッターさん募集は拡散され数時間後には、候補者が数人現れた。
<実際にFacebookに投稿されて拡散された募集内容>
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おじいちゃん、ワンちゃんの介護シッターを探しています。
ニューランドランド犬です。
犬好きの方で月〜金、9時から16時、飼い主さんの自宅(沖縄県うるま市)でのお世話です。 介護の合間に他のお仕事、お勉強などで、時間を使って頂いても構いません。 用事等で短時間外出も大丈夫です。
週5日訪問介護が希望ですが、時間、勤務日数、その他もろもろ、相談可。 2〜3人でやりくりして頂いてもいいです。
お世話料は、時給800〜1000円相談です。
初めての方でも問題ありません。
飼い主さんが介護の仕方を丁寧に教えます。 わからないことがあれば、飼い主さんにすぐ連絡がつきます。
興味がある方は、是非コメントください。
こちらからMessengerで連絡させて頂きます。
<Facebookの広告内容終わり>
結局、犬好きのご夫婦(2名1組で介護希望)と、元動物病院勤務で今は自宅で動物介護の勉強をしている女性の2組3名にお願いすることに決定。
早速翌日、シッターさんの介護初日、6月25日(月)は、一旦3名全員集まってもらい、全員でらーを病院へ連れて行くことにした。
全員来てもらうと、その分、シッターさんへのお支払いも増える、でも全員同時に、運び方を覚えて主治医から直接、らーの状態を聞くことができるし、早く私も職場へ復帰できる。
迷っている場合ではなかった、お金のことは、後で考えよう、今は早く生活を立て直そう。強く自分に言い聞かせて進むしかなかった。
初日の収穫は大きくて多くのことが確認できた。確認できたこと:
- 布で作った簡易的な担架で、らーを運ぶには大人が4名いても容易ではない
- 腕力がある男性が必ずしも介護に有利ではない、実際、力任せのところがあって他の人とのタイミングが読めてないことがわかった
- 腎臓機能が著しく低下、膀胱内部も炎症を起こしている
- 飢餓の状態で肝機能もひどく落ちている
- 後脚の麻痺の理由はまだわからない
やはり心臓は間違いなくしっかりと力強く安定していて旅立ち?それは、まだまだ先だろう。
翌日は、ご夫婦1組で介護希望のYさんの担当日、奥さんは人間の介護のお仕事が偶然に重なり、旦那さんだけの初日になった。
「大丈夫、任せるしかない」そう強く自分に言い聞かせて家を出た。
職場では、やらなければならないことが山積み、日頃から私がいなくても支障ないように整えているつもり、それでもやはり引き継ぎなしで突然休み始めたので滞っている。
それを、サポートチーム全員で見ている、そういう生活が始まった。