Tuesday, October 13, 2020

らーは苦労が多い犬だった−1(仔犬の甲状腺機能低下症)

 ニューファンドランド犬の男の子、5頭兄妹では他の犬より小さい犬だったらしい。

わたしが初めてらーを見たのは、らーが2カ月齢になる前のことだった。
体重は、どれくらいあったんだろ、覚えてないけど、まだ抱っこができた。

仔犬の成長は、あまりにも急速で劇的だ。
朝起きたら、昨日と顔が違って見えるような気がする、そんな急成長。
身体は弱い子だと思った、お腹は頻繁に壊すし、アレルギー皮膚炎はすぐに発症したし、外耳炎にもなり、動物病院の常連で、お薬漬けと思えるほど薬ばかりが処方されて、気の毒な犬だった。

それでも、5カ月齢にもなると体重はすでに一般的な大型犬並みで、栄養の要求量もすさまじく、いっぱい過ぎるくらい食べたがったし、弱いと言っても総合的には、”元気な子ども犬”だった。

10カ月齢ごろだったか、コートが抜け落ちて顔に白髪が目立ち始めた。
左右ほぼ対象に脇腹からコートが抜ける、活気がなくて、白髪になる。
動物病院2か所、お医者さんは「皮膚炎」と診断し抗生剤や、ステロイドを処方する。
体重で算出すると薬の量がとんでもなく多く見えて、脳はまだまだ子供なのに.......わたしは何か間違っているのではないかと?と、直感的に不安になった。

それから、人間の医師や薬剤師、友人の獣医、インターネットでも熱心に情報を集めた。
その結果、わたしは、甲状腺機能低下症ではないか、そう思った。
素人のわたしが意見するも、獣医師は「アレルギー性皮膚炎」「アカラス」と、表面ばかり言及してお腹を壊すとか、白髪が目立つとか、コートの抜け方など、仔犬にふさわしくない症状には着目しないし、説明もない。

3か所めにたどり着いた病院、その先生は違った。
後に、らーの主治医となるこの先生は、わたしの意見をバカにせずに聞いたし、らーのことをよく観察しているのがわかった。

「仔犬で甲状腺機能低下症は、聞かないですね、でも希望するなら調べましょう」と言って検査をしてくれた。結果、ゼロ歳児のらーは、甲状腺機能低下症、それも甲状腺ホルモンは全く作れないと思われる、という診断結果だった。

治る病気ではないけれど、甲状腺ホルモン剤を適量服用すれば、問題なく生活できる病気だった。
薬の適量をみつけること、成長期の犬の場合容易くはない、それでも主治医となったこの先生の考え方は非常にクリアで、わかりやすく納得がいくものだった。
適切な処置で、らーのコートも元通りにフサフサに戻り、白髪は老齢になっても少ないほうだった。

活気ももどり、らーは元気なニューファンになった。
甲状腺機能低下症は、脅威ではなくなった。
若いな〜
らーは完璧
大好き