Wednesday, July 1, 2020

自力で歩けなくなった最初の日(介護生活のはじまり)

2018年6月12日(火)
仕事から帰宅したら、らーが、立てなくなっていた。

らーのお気に入りの場所は、キッチンと続き間になったリビングで、大きな窓から庭に出ることができる。
その日も、いつものようにやさしいハワイアンの音楽が聞こえていたし、クーラーと扇風機で涼しくて、お部屋は普段通りだった。


私とらーの住まいは、大きな犬小屋のようなもので、らーはどの部屋にも自由に出入りできるし、犬用ベッドもブレスエアーのマットレスも人間用のベッドも、らーには自由に使ってもらっていた。
らーは、床に寝ることはほとんどないのだけど、その日は水を飲んで動けなくなったのか、マットと水ボウルの間の床に横たわっていた。

朝9時ごろ私が出勤のため家を出て、一体いつからこんな状態なのか、、、。
ピーピーと鼻で鳴き声のような音を出して、「母ちゃん、動けないよ、助けてよ」って訴えてきた。
(わたしは、らーが言いたいことは、わかる、そう思っている)

冷静を装って、「らーくーん、どうしたのぉ?」「立てないのぉ?」「大丈夫よぉ〜」
そう話しかけながら観察、手足を触っても痛がらない、体のどこを触っても痛がる様子はなく、外傷や出血なども見られない。
目はしっかりと私の動きを追う、表情からして意識はしっかりしている。
「母ちゃん、僕、今日は変だよ」って言っている。
立ち上がろうとするけど、頭を自力で起こせない、力が入らない、そういう風に見えた。

すぐにかかりつけの動物病院に電話、すでに時間外なので院長先生からの折り返しの電話を待つ。そして、その日の夜、私の家で夕食を食べようと約束していた友達のYuちゃんに助けを求めた。

院長先生から折り返しの電話が来て面会の約束を取り付けて、Yuちゃんが到着、二人でらーをリビングのマットの上に、伏せさせてみた。
首はしっかりしていて、頭を上げることができた。
らーも少し嬉しそうに見えた。
超希釈したスポーツドリンクをボウルからガブガブ飲んでくれた。

体重60キロのらーが自力で動けない、いつかそういう日が来る、漠然と覚悟はしていた。
動けなくなったら、どうするか、準備したつもりだった。
お散歩用の介助服を着せて、よっこいしょと重たい旅行バッグを肩にかけて持つように、上から吊るように2名で持ち上げれば、運べると考えていた。
犬が、自力で体を持つことができる状態と脱力のときとでは、状態が違う。
わかっているつもりだった。
でも現実は、予想を超えて難しかった。

June 13, 2018
らーの移動やベッドメーキングをYuちゃんが手伝ってくれた
らーがその後8ヶ月も生きながらえてくれると思っていなかった